「子どもの病気」というイメージ、実はそうとも限らないんです
アトピー性皮膚炎というと、乳幼児期から学童期の子どもの病気というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
実はこの病気、大人になってから初めて症状が出たり、子どもの頃に落ち着いていた症状が再び現れたりすることが少なくありません。「社会人になってから急に肌荒れがひどくなった」「ストレスのせいだと思っていたら、アトピー性皮膚炎と診断された」という声も紹介されています。ここまでアトピーケアの記事を読んでこられた保護者の方自身にも、実は関係のある話かもしれません。今日は、大人のアトピー性皮膚炎について、子どもの症状との違いを中心に整理していきますね。
大人のアトピーには、2つのパターンがあります
大人のアトピー性皮膚炎とひとくちに言っても、実は成り立ちが異なる2つのパターンが含まれています。
- 持続型:子どもの頃に発症したアトピー性皮膚炎が、寛解しないまま大人まで続いているケース
- 成人発症型:子どもの頃は症状がなかった、あるいは軽かったにもかかわらず、思春期以降や社会人になってから新たに発症するケース
どちらのパターンも、大人になってからのアトピー性皮膚炎として扱われます。近年は20〜40代での発症・再発が増加傾向にあるともいわれており、「大人のアトピー」として注目されているテーマなんですね。
子どもの頃と、症状の出方が変わってきます
大人のアトピー性皮膚炎は、子どもの頃の症状と比べて、出やすい場所や見た目に違いがあります。
| 子どものアトピー性皮膚炎 | 大人のアトピー性皮膚炎 | |
|---|---|---|
| 症状が出やすい場所 | 顔全体・あご・ひじやひざの内側など | 首・顔・胸・背中など上半身 |
| 見た目の特徴 | ジュクジュクした湿疹になりやすい | かきむしりによる皮膚の肥厚・色素沈着が目立ちやすい |
| 経過 | 成長とともに落ち着く傾向 | 長引いたり、再発しやすい傾向 |
これは、子どもの場合は成長とともに皮膚のバリア機能が発達していくのに対し、大人は生活環境やストレス、加齢によってバリア機能がむしろ低下しやすいことが関係していると考えられています。
大人ならではの悪化要因もあります

悪化要因の基本的な考え方(汗・乾燥・ダニなど)は以前の記事「アトピーの治療」で紹介した内容と共通していますが、大人にはそれに加えて次のような要因が関わってくることがあります。
- 仕事や人間関係のストレス、睡眠不足
- 化粧品・整髪料・香水などに含まれる成分による刺激
- 金属アレルギー(ネックレスやピアスなどに含まれるニッケル・コバルト・クロムなど)
- 飲酒や喫煙
「原因不明の肌荒れ」だと思っていたものが、実はこうした生活環境の変化と関係していた、というケースも珍しくありません。心当たりのある要因があれば、少しずつでも見直してみることが、症状の安定につながることがあります。
進学・就職などの環境の変化にも注意
特に症状が再燃しやすいタイミングとして、進学で親元を離れる、就職して一人暮らしを始める、といった生活環境が大きく変わる時期が挙げられます。
これまで家族が整えてくれていた食生活や生活リズムが、自分自身で管理する必要が出てくることで、栄養バランスが崩れたり、睡眠時間が不規則になったりしやすいためです。加えて、新しい環境そのものへの緊張や人間関係のストレスも重なりやすい時期なので、悪化要因が一気に増えるタイミングとも言えます。
お子さんが将来こうした環境の変化を迎えるときに備えて、「一人暮らしを始めたら、食事や睡眠が崩れやすいので、肌の調子にも注意が必要」ということを、あらかじめ伝えておくのもよいかもしれません。
自己判断の市販薬に頼りすぎないことも大切です
大人になってから症状が出た場合、「子どもの頃の記憶」がない分、市販薬だけで様子を見てしまう方も少なくありません。ですが、大人になってから初めて症状が出た場合、誤った市販薬の使い方によって症状がなかなか改善しなかったり、逆に悪化してしまったりすることもあります。
症状が続く場合や強い場合は、自己判断を続けず、皮膚科専門医のいる医療機関を受診することをおすすめします。薬の種類や強さの考え方については、「アトピーの薬」でも紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
お子さんが大人になったときのために、知っておきたいこと
お子さんのアトピー性皮膚炎が今落ち着いていても、将来また症状が出たり、逆に今は症状がなくても大人になってから発症したりする可能性はゼロではありません。
だからといって過度に心配する必要はありませんが、「アトピー性皮膚炎は子どもだけの病気ではない」と知っておくことは、お子さんが将来、自分の肌と向き合っていくときの助けになると思います。小さいうちから正しいスキンケアの習慣を身につけておくことは、将来的なバリア機能の維持にもつながると考えられています。
まとめ
アトピー性皮膚炎は子どもの病気というイメージが強いですが、大人になってから発症するケースも、子どもの頃から症状が続くケースも、どちらも珍しいことではありません。症状の出方や悪化要因は子どもの頃とは変わってくるので、「今まで平気だったのに」と感じても、自己判断せず医療機関に相談してみてください。
なお本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の症状や予後を保証するものではありません。詳しくは免責事項をご確認ください。この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、実体験と公開情報をもとにまとめています。
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