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アトピー性皮膚炎の治療

親子で軟膏を手に取り、穏やかな表情で会話している様子 アトピーケア

アトピーの治療、基本の考え方はシンプルなんです

「治療」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、アトピー性皮膚炎の治療は、実はとてもシンプルな3本柱でできています。

3本柱 内容
薬物療法 炎症を抑えて、荒れた肌を落ち着かせる
スキンケア 保湿でバリア機能を保ち、肌の状態を維持する
悪化要因の対策 かゆみや炎症のきっかけになるもの(汗・ダニ・乾燥など)を減らす

この3つを同時に、根気よく続けていくことが治療の基本になります。どれか一つだけでは不十分で、3つが揃ってはじめて「症状が出ない、あるいは出ても軽い」状態を目指せるんですね。それぞれ、もう少し詳しく見てみましょう。

薬物療法にもいろいろな種類があります

種類 特徴
ステロイド外用薬 炎症を抑える基本の塗り薬。強さのランクがいくつかあり、症状や部位に応じて使い分ける
非ステロイド系の外用薬
(タクロリムス軟膏・デルゴシチニブ軟膏・ジファミラスト軟膏など)
ステロイドとは違う仕組みで炎症を抑える塗り薬で、顔や首など皮膚の薄い部分にも使いやすいのが特徴
内服薬 かゆみを抑える抗ヒスタミン薬などが、補助的に処方されることがある
症状が重い場合 紫外線療法や、注射薬(生物学的製剤)といった選択肢が使われることもある

スキンケアは「保湿」と「洗浄」の両輪です

ケア ポイント
保湿 お風呂上がりなど、肌がうるおっているうちに保湿剤を塗るのが基本。1回にたっぷりというより、朝晩など複数回に分けるほうが効果的とされている
洗浄 石けんやボディソープは、肌への刺激が少ないものを選び、ゴシゴシこすらず泡で優しく洗う
汗のケア 汗をかいたらそのままにせず、こまめに拭き取ったりシャワーで流したりすることも、悪化を防ぐ意味で大切

悪化要因は、人によって本当にさまざまです

要因 具体例
環境要因 ダニやホコリなどのハウスダスト、乾燥した空気、化学物質による刺激
生活要因 汗、摩擦(衣類のタグや素材など)、睡眠不足、ストレス
刺激物・かゆみを強めやすい食べ物 香辛料の多い料理やアルコールは血行を良くする作用があり、発汗やほてりを通じてかゆみを強めることがある。また、サバ・エビ・イカ・トマト・なすなど、ヒスタミンに似た物質を多く含む食品で、かゆみを感じやすくなる方もいる(個人差が大きく、食物アレルギーとは別の話)

刺激物については個人差が大きく、食物アレルギーとは別の話なので、自己判断で除去するのではなく、気になる場合は医師に相談しながら見極めていくのが安心です。一人ひとり悪化のきっかけが違うからこそ、「うちの子の場合は何が引き金になりやすいか」を、生活の中で少しずつ見つけていくことになるんですね。

治療を始める前に知っておきたいこと

アトピーは何科を受診すればいいの?

「アトピーかも」と思ったとき、何科に行けばいいのか迷う方も多いと思います。

結論から言うと、皮膚科でも小児科でも診てもらうことができます。皮膚を専門的に診てもらいたい場合は皮膚科、他の体調面も含めて相談したい場合は小児科、というくらいの使い分けで考えて大丈夫です。症状が長引く場合や治療の効果がはっきりしない場合には、アトピー性皮膚炎の診療に力を入れている皮膚科(小児皮膚科)を紹介してもらえることもあります。

重症度はどうやって決まるの?

治療方針は、症状の範囲や強さ(重症度)によって変わってきます。医師は、皮膚の赤みやかさつきの範囲、かゆみの強さ、日常生活への影響などを総合的に見て、軽症・中等症・重症といった目安をつけていきます。

この重症度によって、使う塗り薬の強さや、飲み薬を検討するかどうかが変わってくるので、「今どのくらいの状態なのか」を診察のたびに確認しておくと、治療の見通しが立てやすくなります。

治療のゴールってどこにあるの?

アトピー性皮膚炎の治療でよく言われるゴールは、「症状がない、あってもごく軽くて日常生活に困らない、薬もあまり必要としない状態を維持すること」なんです。

「完全に治す」というより、「症状に振り回されない状態を保ち続ける」というイメージに近いかもしれません。この考え方を最初に知っておくと、治療の見通しが立てやすくなると思います。

洗面所で子どもと一緒に鏡を見ながら笑い合う親子

ステロイドが不安…という方へ

アトピーの治療といえば、まず気になるのが「ステロイド」という言葉ではないでしょうか。「子どもに強い薬を使って大丈夫?」「副作用が心配」という声は、へっちゃらにもよく届きます。

ステロイド外用薬(塗り薬)は、正しい強さ・量・期間を守って使えば、副作用の心配はほとんどないとされています。皮膚が薄くなる、毛が濃くなるといった副作用は、同じ場所に長期間、必要以上の量を使い続けた場合に起こりやすいことが分かっていて、医師の指示通りに使う分には過度に恐れる必要はないんですね。

逆に、不安から治療を避けてしまうと、かゆみで眠れなかったり、掻き壊しから「とびひ」につながったり、アレルギーマーチが進んでしまったりと、別のリスクが出てくることもあります。

  • 「ステロイドは怖いから使わない」ではなく「正しく使えば有効な薬」という認識で、医師と相談しながら使っていくのが安心です
  • 心配な点や疑問があれば、その場で医師に率直に聞いてみるのが一番の近道です
  • 市販薬ではなく、お子さんの症状に合わせて処方されたものを、指示された部位・量・期間で使うことが大切です

「やめたら急に悪化した」という話、聞いたことがある方へ

「ステロイドをやめたら症状が急に悪化して、やめられなくなった」という話を耳にしたことがある方もいるかもしれません。これは「リバウンド」と呼ばれることがある現象で、専門家の間でも見方が分かれるテーマなんです。

多くの皮膚科医の立場では、これは薬そのものへの「依存」というより、それまで薬で抑えられていた炎症が、急な中止によって元の状態に戻ってしまう「病気の再燃」だと説明されています。実際、「リバウンド」という呼び方自体が誤解を招くという意見もあります。一方で、長期使用後に急にやめると強い離脱症状が出るという懸念の声があるのも事実で、こちらも無視できない意見として存在しています。

見解の違いはあっても、対処法については共通しています。それは「自己判断で急にやめない」「医師と相談しながら段階的に減らしていく」ということです。次でお話しするプロアクティブ療法は、まさにこの「段階的に減らす」考え方そのものなんですね。

プロアクティブ療法って、聞いたことありますか?

最近よく使われる治療の考え方に「プロアクティブ療法」というものがあります。

療法 内容
リアクティブ療法 症状が出たときだけ薬を塗り、治まったらやめる、従来からある方法
プロアクティブ療法 症状が治まった後も、間隔を空けながら(週2回など)薬を塗り続けて、良い状態を維持していく方法

何度も炎症を繰り返してしまうタイプの方には、プロアクティブ療法の方が再燃を防ぎやすいとされています。薬を塗る量やペースの落とし方は人によって異なるので、この点も担当の医師と相談しながら進めていくことになります。

受診のタイミングと伝え方

こんなときは早めに受診を

セルフケアを続けていても、次のような様子が見られる場合は、次の診察を待たずに早めに受診することをおすすめします。

早めに受診したい様子
いつもより広い範囲に症状が広がっている
掻き壊しによって皮膚がジュクジュクしている、または熱を持っている
夜眠れないほどかゆみが強い
発熱や倦怠感など、皮膚以外の症状も伴っている

医師に相談するときに伝えたいこと

限られた診察時間の中で状況を的確に伝えるために、次のようなことをメモしておくと相談がスムーズになります。

診察前にメモしておきたいこと
いつから、どの部位の症状が悪化したか
今使っている薬をどのくらいの頻度・量で使っているか
症状の変化と関連していそうな出来事(汗をかいた・食べ物・季節の変わり目など)
気になっていること、不安に思っていること(自己判断で判断しづらい点)

「聞きたいことをうまく言葉にできなかった」ということを防ぐためにも、スマホのメモなどに簡単に書き留めておくのがおすすめです。

まとめ

アトピー性皮膚炎の治療は、薬物療法・スキンケア・悪化要因対策の3本柱を、根気よく続けていくことが基本です。ステロイドへの不安は自然な気持ちですが、正しく使えば心強い味方になってくれる薬でもあります。

治療方針については、自己判断せず必ず主治医の指示を優先してください。この記事は、食物アレルギーのあるお子さんを育てる運営者「まっさん」が、自身の経験と厚生労働省・専門機関等の公開情報をもとにまとめています。詳しくは免責事項をご覧ください。

日々のスキンケアの具体的な方法については、アトピーのスキンケアで詳しくお話ししています。

※このリンクは「アトピーのスキンケア」公開後に有効になります。それまでは仮リンクです。

参考にした情報源

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※本記事は、公開されている情報をもとに、できるだけわかりやすくまとめたものです。個別の状況によって適切な対応は異なりますので、ご不安な点がある場合は自己判断せず、専門機関・専門家にご確認ください。詳しくは免責事項をご覧ください。 緊急性の高い症状が見られる場合は、自己判断せず、直ちに救急要請または医療機関を受診してください。

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