子供の様子を観察していて、初めからこれはアレルギーかな?と気が付く人は少ないと思います。湿疹などが出れば肌の治療なのかな?とか咳が止まらないから風邪なのかな?と思う人がほとんどだと思います。
小さなお子さんであれば、まずは小児科を受診しましょう。かかりつけの小児科があれば、まずはそこに相談してみてください。必要に応じて、検査ができる医療機関を紹介してもらうこともできます。
とはいえ、病院で何をするのか分からないままだと、受診自体に不安を感じるものです。ここでは、受診前に準備しておくこと、何科に行けばいいか、どんな検査があるのか、血液検査の結果の見方まで、順を追って整理します。
結論:食物アレルギーの診断は、まず問診で「何を食べて、どんな症状が出たか」を確認します。血液検査だけでは診断できず、確定には、実際に食べて確かめる「食物経口負荷試験」が必要です。
(受診前に、いつ・何を・どのくらい食べて、何分後にどんな症状が出たかをメモしておくとスムーズです)
具体的にメモしておくと、診察がスムーズに

医師は、問診(症状についての詳しい聞き取り)をもとに、原因と疑われる食物を絞り込んでいきます。以下の情報を、できるだけ具体的にメモしておくと、診察がスムーズになります(食物アレルギーの診療の手引き2023、横浜市、岡山市、東京都による)。
- いつ・何を・どのくらい食べて、何分後に、どんな症状が出たか
- お子さんの年齢や、赤ちゃんのころの栄養方法、家族のアレルギー
- 今飲んでいる薬(他の症状で服用中の薬やサプリメントなども含む)
- 症状が出たときの写真(湿疹・じんましん・肌の赤みなど、残っていれば。皮膚症状は写真があると役立つことがあります)
即時型の食物アレルギーの症状は、ほとんどの場合、食べてから2時間以内に現れるとされています(食物アレルギー研究会による)。また、同じ食べ物で繰り返し症状が出る場合は、アレルギーの可能性が高いとされています(横浜市による)。
限られた診察時間の中でも、こうした準備があれば、医師に状況を的確に伝えやすくなります。「うまく説明できるか不安」という方も、メモを見せるだけで大丈夫です。
これらの項目を、あらかじめまとめておけるメモをご用意しました。印刷はもちろん、スマホの画面に表示しながらメモすることもできます。
迷ったら、まずはかかりつけの小児科

疾患ごとの受診科の目安は、次のとおりです(東京都アレルギー情報navi.による)。
- 小児科:まずはかかりつけの小児科でOK。必要に応じて専門医を紹介してもらえます
- アレルギー専門医(小児科・内科):食物アレルギーを専門的に診てもらいたい場合
- 皮膚科:アトピー性皮膚炎など、皮膚の症状が中心の場合(小児科でも相談できます)
かかりつけ医がいる場合は、まずかかりつけ医に相談するよう案内されています(東京都による)。検査や、実際に食べて確かめる試験は、すべての診療所や病院でできるわけではないため、かかりつけ医に相談して、できる医療機関を紹介してもらう方法があります(横浜市による)。
迷ったら、まずはかかりつけの小児科に相談するのが安心です。専門医の選び方は「⑤アレルギーは何科?|かかりつけ医と専門医の違いを知ろう」、食物経口負荷試験を受けられる病院の探し方は「⑬食物経口負荷試験を受けたい|信頼できる病院を探すポイントは?」で紹介しています。
検査の種類はおもに3種類

- 血液検査:卵、牛乳、小麦など特定の食べ物に対する「IgE抗体」があるかを調べる
- 皮膚テスト(プリックテストなど):アレルゲンのエキスを皮膚にのせ、専用の針で小さな傷をつけて、皮膚の反応を見る
- 食物経口負荷試験:医師の管理のもと、実際に食べて症状の有無を確認する、確定診断に必須の検査
血液検査と皮膚テストは、結果が診断の補助とされています。なお、検査を受けるタイミングは医師と相談して決めましょう。
血液検査だけでは、食物アレルギーを診断することはできません(日本アレルギー学会による)。血液検査で分かるのは「感作されているかどうか(抗体があるかどうか)」であり、実際に食べて症状が出るかどうかとは必ずしも一致しないためです(食物アレルギーの診療の手引き2023による)。確定診断には、原則として食物経口負荷試験が必要とされています(東京都による)。
食物経口負荷試験は、医師の指示のもと、病院で十分な体制を整えて、安全に行う必要があります。保護者の判断で、自宅で試しに食べさせることは、非常に危険です(横浜市、アレルギーポータルによる)。
血液検査の結果は「クラス0〜6」の7段階

血液検査の結果は、多くの場合「クラス0〜6」の7段階で示されます。0が陰性、1が疑陽性、2〜6が陽性とされます(東京都による)。クラスが高いほど、その食品に対する抗体が多いことを意味しますが、ここで大切な注意点があります。
「クラスが高い=症状が重い」ではありません。クラスが高いほど診断の確からしさは高まりますが、あくまで診断の補助です(東京都による)。抗体が陽性でも、実際に症状が出るとは限らないとされています(食物アレルギーの診療の手引き2023による)。
逆に、抗体がたくさんあっても反応しなければ問題なく、少しの抗体でも反応が出ればアレルギーを発症します(同資料による)。また、検査結果の読み方は、食品の種類や調理方法、年齢によって異なります(日本アレルギー学会による)。同じ抗体の値でも、年齢によって症状が出る可能性は違います。たとえば牛乳の抗体価が3.0kUA/Lの場合、症状が誘発される可能性は、1歳未満では約90%、2歳以上では約30%と示されています(食物アレルギーの診療の手引き2023による)。
だからこそ、血液検査の数値だけで自己判断せず、医師と一緒に、問診の内容や必要に応じた食物経口負荷試験の結果もあわせて総合的に判断していくことが大切です。結果の見方は「⑯アレルギーの血液検査|数値が高い=症状が重いとは限らない」でくわしく紹介しています。
検査を受ける前に知っておきたいこと
検査の前に、飲んでいる薬の中止が必要になることがあります。血液検査では、抗ヒスタミン薬の中止は不要です。一方、プリックテストでは、第1世代の抗ヒスタミン薬は2日以上、第2世代は3〜7日間、服用を中止する必要があります(食物アレルギー研究会による)。自己判断で薬をやめず、事前に医師に確認しましょう。
なお、「特異的IgG検査」は、食物アレルギーの診断には役に立たないとされています。日本小児アレルギー学会などは、診断的な有用性を公式に否定しています。健康な人にも存在し、負荷試験の結果と一致せず、必要以上の食物除去につながる危険があるためです(食物アレルギー研究会による)。
このカテゴリーで分かること
「検査・治療・病院」では、検査の受け方から治療・薬、病院選び、エピペン、ワクチンまで、受診にまつわる疑問を順番に解説しています。気になるテーマから読んでも大丈夫です。
検査を知る
治療・薬を知る
病院を選ぶ・相談する
エピペンとネフィー
ワクチンとアレルギー
まとめ
食物アレルギーの診断は、問診が出発点で、確定には食物経口負荷試験が必要です。
- 受診前に、症状の記録やメモを準備しておくとスムーズ
- 迷ったらまずはかかりつけの小児科へ
- 血液検査だけでは診断できず、確定診断には、原則として食物経口負荷試験が必要
- 血液検査の結果(クラス)は診断の補助で、重症度や食べられる量は分からない
検査の必要性や種類は、お子さんの状態によって医師が判断します。気になる症状があれば、自己判断せず医療機関にご相談ください。
「へっちゃら」まっさんより
うちの息子も、かかりつけの小児科の先生にアレルギー専門の小児科を紹介してもらいました。
血液検査をしたところ、「卵」「ゴマ」「ソバ」「犬の毛」の数値がメチャクチャ高かったです。
初めの頃は、数値の高さを見て「どうしよう。なんでうちの子がこんなことになってしまったんだろう」と心配していました。
でも、ゴマが食べられるようになったり、少しずつゆで卵の黄身なども食べられるようになったりして、「数値が高いから食べられない」ということではないんだと、少し安心しました。
<次の記事では
②アレルギー検査にかかる費用は?|受診の流れも解説
参考にした情報源
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